医療法人育生会 篠塚病院 院長 相原 芳昭

 

2004年に多野藤岡地域リハビリ研究会が発足してから、早くも13年が経ちました。この間に様々な取り組みが行われ、5年前には設立7周年記念誌も発刊いたしました。

超高齢化が進む中、高齢者や障害を持った方々がいつまでも住み慣れた地域で自立した生活を送ることが出来るよう、この多野藤岡地域内の医療機関、老健施設、市町村、保健福祉事務所が一体となった連合体が活動を続けて参りました。この地域に根ざした組織として、誰もが健康で生き生きと生活できる社会の実現に向けて貢献し続けられるよう日々努力しております。

 アセスメント研究会では、患者様・利用者様が自ら参加して、急性期・回復期・維持期の各ステージにおける診断、治療、看護、介護、リハビリテーション、行政の関係者と共に本人の課題、課題克服をはっきりつかみ、協力し合って認知、リハビリをしていき、ご本人の満足・安心が得られる地域ネットワークづくり、システム構築に取り組んでおります。

 現在62名のスタッフで運営しておりますが、通常業務外での活動であり、各々の得意分野を生かした参加により成り立っており、文字通り地域社会での一員として活動しているものであります。

 今後もこの多野藤岡地域からこの研究会の目的である、地域の皆様への必要な情報提供、リハビリ従事者の指導・研修・生活向上に必要な支援・相談を行い、情報発信をしていきたいと考えております。

 ここからは、日々患者様と接しながら、今後に向けて感じることを述べていきます。

今までの老人は、家族の顔色を窺いながら生活してきた人が多のではないでしょうか。しかし、この地域リハビリを通じて機能回復が図られることにより、社会参加が可能になる人も出てきています。これは、本来の自分を取り戻し、どう生きたいか、どのように生活したいのか自己管理し、社会参加するため人間関係の再構築をしてくことをあらわしています。そのような人たちのために、少しでも活躍できる場を提供すべく臨んでまいりたいと考えます。

 

 一般の人や高齢者にかかわらず、誰もが自分の人生を責任もって共に生きる時代となりました。